和菓子屋「和菓子 甘果」をオープンしました

15期生 2021.09.07

田中美海

(和菓子甘果)

校友会に寄せていただいた情報の中から、「詳しくお話聞きたいな」という人をPick upし、『TUAD OB/G Baton≪mini≫』としてお届けいたします。


今回ご紹介するのはメディアコンテン学科未来デザインコース(現:企画構想学科)卒業生の田中美海(たなか・よしみ)さんです。

田中さんは東京・奈良・京都の和菓子店で修業を積み、山形市双葉町に「和菓子 甘果」をオープンしました。お店のロゴマークなどのビジュアルデザインはグラフィックデザイン学科卒業生でデザイナーの土澤潮(つちざわ・うしお)さん。店舗設計・施工も、建築・環境デザイン学科卒業生の安藤理恵(あんどう・りえ)さんほか、芸工大卒業の友人たちが手掛け、卒業生たちのつながりが生み出したすてきな和菓子店となっています。

デザインを学び、卒業後に和菓子職人の世界へ

大学4年生の冬まで就職活動をしていましたが結果は出ず、今後の生き方について考えていた時に、何をしてお金をもらえているのか、何でご飯を食べているのか明確な生き方をしたいと思いました。そこでとりあえず小さい頃になりたかった職業を書き出してみたとき、小学生の頃に憧れていた和菓子職人の仕事だったら目指す生き方ができるのではないかと考え、この道を選らぶ決心をしました。

修業時代に思いついた店名「甘果」が心の支えに

自分の中で覚悟を決めて入った和菓子の世界ですが、当初は「就職できなかった自分=社会に必要とされない自分」という思いがどうしても湧いてしまいました。ただ、少しずつではありましたが和菓子の文化や製法、原材料などさまざまなことを学んでいくうちに過去ではなく和菓子に気持ちが向くようになっていました。

私は関東と関西で修業をしたのですが、和菓子は原材料や味やデザイン、お菓子の用途など地域性が強く出るのが面白いなと感じていました。山形でならどんなふうにできるだろうか?と想像するのも楽しみでした。

ちなみに「和菓子 甘果」という店名は修行中の最も辛い時期に考えたものです。
「甘く実った果実のように、季節を届ける和菓子を作りたい」という意味でつけました。後から知ったのですが、私たちが口にする“さくらんぼ”のことを「甘果桜桃」とも呼びます。甘果と言うワードになんだかとても縁を感じてしまいました。いつかは自分のお店を持つと言う目標を見失わずにいられたのは、あの時に考えてこの店名の存在も大きいと思っています。

果物の宝庫・山形ならではのお菓子を提供したい

大学の頃に県内の方々にお話を伺う機会を頂き、それぞれの人の中にある大切な場所や行事、コト・モノに触れた経験を思い出すことがあります。私もいつか、誰かの時間に寄り添えるようなお菓子を作れたらと思っています。そして町のひとつの要素になれたら嬉しいです。

また、山形は果物の宝庫です。お菓子のはじまりは果物や木の実だったように、ここ山形だからこそ作れるお菓子があると思います。できる範囲の環境問題や食品ロスへの取組みとして、農家の方々への敬意と感謝の気持ちも込めて、B品とされる果物にも目を向け、旬の果物を用いた和菓子としてお客様に提供していくことも考えています。

和菓子 甘果

住所:山形市双葉町2-4-38 双葉中央ビル1-A号
時間:10:00~17:00(無くなり次第終了)
営業日:日・月・火・水 ※木・金・土は休業
駐車場:店舗正面に2台駐車可能
※イートインスペースはございません。

甘果 instagram
甘果WEBサイト

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リレーインタビュー「TUAD OB/G Baton」(ティーユーエーディ・オービー・オージー・バトン/TUADは東北芸術工科大学の英語表記の略称)はアートやデザインを学んだ卒業生たちが歩んできた日々と、「今」を、インタビューと年表でご紹介していきます。