2022.05.23 見る
大学院修了生の源由華さんの作品「ひとり」が第64回日本農民文学賞を受賞した古川彩さんの第一詩集『大地青春』の表紙画に起用されました
大学院芸術教育領域修了生の源由華(みなもと・ゆか)さんの作品「ひとり」(2021年・油彩)が第64回日本農民文学賞を受賞した古川彩(ふるかわ・あや)さんの第一詩集『大地青春』の表紙画に起用されました。
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古川彩詩集『大地青春』
2021年 第64回「日本農民文学賞」を受賞した「大地青春」を第一章とし、新たに第二章「森羅友愛」10篇を加え刊行。
2022年4月20日刊 A5判102頁 並製本 著者/古川彩(京都在住) 発行/阿部和久 表紙画/源由華 装幀/岩井哲 出版社/書肆犀 定価/1,100円(税込)
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「旅立ち」古川彩
未だ雪深い弥生の空に
食堂から漏れるコーラスの声が
高く高く吸い込まれていく
我が学び舎の
三度目の冬の終わりの始まり
人と出会い人と生き
土に学び土に生き
命
出会いの大きさを捉えられず
身の内の空っぽを見つめたこともあった
その都度
ほんの少しずつ
心に沈んでいくものはあって
それは消えてなくならないと
分かってしまった
たったひとつ探求し得た 真理の片鱗
世に独り立つ時
その生き方が問われよう
幾度の涙で清められた眼差しの本当と
山の懐の本物を
ただ抱きしめていく
小さく満たされて
丁寧さに誠実で在ろう
こころいっぱい
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