2023.04.04 知る

生産デザイン学科卒業生の宇野健太郎さん(森田アルミ工業株式会社 取締役 研究開発部長)が建材パーツのセレクトブランド「Noizless」を立ち上げました


以前、TUAD OB/G Batonで取材をさせていただいた宇野健太郎さん(現プロダクトデザイン学科卒業)が勤務先の森田アルミ工業株式会社で新たな試みとなる新ブランド【Noizless(ノイズレス)】を立ち上げたということでお話を伺いました。

ご無沙汰しておりました。昨年末にFacebookの宇野さんの書き込みで、自社製品以外の商品も取り扱った新しいブランド【Noizless】を作ったと拝見し、面白いことをしているな、と感じました。これが以前取材の際におっしゃっていた「森田アルミの事業領域を一気に広げる大きな挑戦」なのですね!【Noizless】を立ち上げるにあたって宇野さんはどのようなお仕事をされたのですか?

まず、ノイズレスについて簡単に説明させてください。

ノイズレスとは、施主のためにつくった、建築パーツのセレクトブランドです。施主が家づくりを拘りたいと思うほど、そこに立ちはだかる「調べる作業量の多さ」。

そこで、あえてセレクト品をぐっと絞り込んで、施主自身が全体像を捉えやすいようにしました。また、森田アルミ工業の製品だけにこだわらず、いろいろなメーカーに声を掛けて、ひとつのブランドとしてまとめました。

そのなかで、私の役割はざっくりいうと、Noizless(ノイズレス)全体を推し進めていくというものでした。

新規事業なので、当然ながら経営陣との橋渡しをしたり、予算の管理、協力会社との折衝など、前線に出たり、陰で支えたりと色々な役割をしたと思います。 一番大変だったことは、メンバー全員が通常業務(デザインや建築設計)との兼任だったことです。とにかく、皆時間のやりくりが大変でした。構想から立ち上げまで1年半でよくまとまったなと思います。

今回、【Noizless】のグラフィックを情報デザイン学科(現グラフィックデザイン学科)卒業生(9期生)の土澤潮(つちざわ・うしお)さんに依頼されたとお伺いしましたが「土澤さんにお願いしよう!」と考えた一番の決め手は何でしたか?

まず、前提として森田アルミ工業はデザインを社内で完結させることが多い会社なのですが、Noizless(ノイズレス)に関しては早い段階から外部デザイナーとの協業を考えていました。そして、雑誌をつくることが決まった段階で、書籍や雑誌に強いデザイナーがいいのではと。そこで、私の中で真っ先に浮かんだのが、大学時代からの友人である、ペイジの土澤さんでした。土澤さんは、社名のpeijiからも伝わるように、エディトリアルデザインを中心に仕事されていて、適任だと思いました。

土澤さんを選んだ理由はもうひとつあって、チームで一緒に仕事がしやすそうだということ。森田アルミは一人一人のメンバーもそれぞれ個性豊かなのですが、それ以上にチームでやることを重視しています。土澤さんであれば、その辺りがまったく心配しなくて良いと思っていました。予想は的中しました。

私としては、土澤さんが聞き役になって、自分たちの中でふわっとある、ブランドのコンセプトやロゴの方向性をうまく引き出してくれたと思っています。

プロジェクト中に一度だけ、社長含めノイズレスメンバーで山形に出張しました。 良い仕事をして、心もお腹も?満たされた思い出深い出張になりました。

昨年10月の発表から約5ヵ月経ちましたが、周囲の反応はいかがですか?

森田アルミ工業らしい面白い取り組みだと感じてもらえていると思います。一方で建材メーカーが普通はやらない取り組みなので、何のためにこれをやっているのかと聞かれることもあります。雑誌の巻頭インタビューにはブランドを作ることになった経緯をまとめていますが、直接お話をする時には、ブランドの背景を丁寧に説明するようにしています。

書店での販売をスタートさせるにあたって、置いてもらうのが難しそうな書店から声を掛けようと思い、銀座蔦屋書店に直談判しました。有難いことにブックコンシェルジュの方にNoizless(ノイズレス)の取り組みに共感いただき、雑誌の取り扱いだけに留まらず、「Noizless×銀座 蔦屋書店」として特設展示(2023年3月1日~1か月間)を開催できることになりました。 社会課題を解決することを目的に生まれたブランドだからこそ、立場や領域を超えて共感を得ているのだと感じています。

今後の展開・挑戦したいことなど教えてください。

まだブランドを立ち上げたばかりなので、まずは認知度を高めていくために、全国の書店での取り扱いに向けてPRを進めていきます。

また、NoizlessVOL02(2023年9月発刊予定)の製作もスタートしました。VOL01からさらに取り扱い製品を増やした充実した内容を目指しています。 先日、Noizlessに参画していただいている企業の方との会合があり、いろいろな話をしました。家づくりを盛り上げていくという意味では、住宅業界でやるべきこともまだまだ沢山あると思っています。Noizlessをきっかけにメーカーの垣根を超えて、いろんな会社とコラボをしていきたいと考えております。

Noizless

Noizless

森田アルミ工業株式会社

pejii(土澤潮)

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